今回紹介するライガーテイル。脚部パーツが特徴的なACとなっています。
「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」シリーズはこれまでに3種類のACが発売されてきました。これまでに発売されたACはいずれも二脚型ACとなっておりその他の脚部タイプについては発売が期待されていました。2024年12月21日にシリーズ初となる四脚型ACが発売となります。本稿ではプラモデル「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON BALAM INDUSTRIES BD-011 MELANDER ライガーテイル」をレビューしていきます。
ライガーテイルの頭部はクモを連想させます。
ベイラム・インダストリー専属AC部隊「レッドガン」のエースパイロットが操縦する重量四脚型AC
ライガーテイルはベイラムグループが製造した重量四脚型ACとなっており、腕部にはガトリングガンと炸裂弾投射器、肩部にはミサイルおよびグレネードキャノンを装備した実弾兵装モリモリの機体に仕上がっています。
記事を要約する(AI)3行まとめ
ライガーテイルを操縦するACパイロットの「G1ミシガン(ガンズワンミシガン)」はベイラム・インダストリー専属AC部隊「レッドガン」にて総長を務め、「歩く地獄」の二つ名を持つエースパイロットです。性格は「鬼軍曹」そのものであるため、部下にも恐れられる一方、指揮官としての器量も十分であり、部下からは「総長」と呼ばれ、慕われています。
本キットの上半身は平面を組み合わせた無骨なデザインとなっています。
シリーズ初となる四脚型ACの立体化となった大型キット
今回レビューする「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON BALAM INDUSTRIES BD-011 MELANDER ライガーテイル」は「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」シリーズ初となる四脚型ACのキット化となっており、そのサイズ感もこれまでのナイトフォールやスティールヘイズと比較しても大きく異なるものとなっています。四脚型となったことで全高は二脚型に比べ低くなりましたが前後に大きくなったフォルムは重武装に対応した姿となりました。
これまでに発売された「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」シリーズキット。ライガーテイルはシリーズ初の四脚型で、異なったスタイルとなっています。
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ゲームと同様にパーツごとに組み立ててアセンブルを楽しむキット
まずはキットのランナーから紹介します。本キットはライガーテイル素体を構成するランナーが13枚とシール2枚、武装のランナーが5枚付属しています。ライガーテイル素体を構成するランナーはダークグレー、ブルーグリーン、ダークブルーの3色で成型されており、各部のモールドも太くはっきりとした凹モールドにて刻印されています。
A1ランナーは胴体部分や腕部の外装パーツとなっています。
B1ランナーは脚部や頭部外装パーツを含むランナーとなっています。
B2ランナーは脚部外装となっており、B1ランナーの一部と共通形状となっています。
C1、C2ランナーは胴体部および腕部パーツが含まれています。C1ランナーにはハンドパーツが含まれています。
D1ランナーは脚部および頭部のパーツが含まれています。
D2、D3ランナーは脚部パーツにて共通形状となる部分が含まれています。四脚の足部はすべて共通形状となるようです。
E1ランナーは胴体部および、脚部、腕部の内部フレームが含まれています。本パーツはKPSにて成型されているようです。
E2ランナーは脚部、腕部の内部フレームが含まれます。E1ランナーと同様にKPSによる成型となっているようです。
E3ランナーは同一形状のランナーが2枚付属されており脚部のフレームが成型されています。
マーキングシールはサイズ違いで6枚付属しており、色分け用シールは胴体部と腕部色分け用の2種類付属しています。
一方、武装を構成するランナーはグレー単色で成型されておりOCランナーは軟質樹脂にて成型されています。各種パーツの素材はOCランナー以外、KPS素材となります。
OAランナーは肩部グレネードキャノンを構成し、OCランナーはガトリングガンの弾帯を整形しています。
OB1、OB2ランナーは肩部ミサイルランチャーと腕部炸裂弾投射器を構成するランナーとなっています。
ODランナーはガトリングガンを構成するパーツが含まれています。本機のガトリングガンは銃身が6本のデザインとなっています。
頭部パーツ「HD-033M VERRILL」
本機の頭部パーツは細かい形状を再現するためにRGガンプラと同等の細かいパーツ分割が行われています。組み立て後の頭部パーツはクモを彷彿とさせる形状となっており、これまでに発売された頭部パーツと比較して横広なデザインとなっています。
組み立て前の頭部パーツ。全11パーツにて構成されており、RGガンプラと同等の細かいパーツ分割がされています。
組み立てが完了した頭部パーツ。クモを彷彿とさせるデザインです。
胴体部パーツ「BD-011 MELANDER」
胴体パーツは平面を組み合わせた無骨なデザインとなっており、コアとなるフレームパーツに外装を被せて組み立てていきます。各部パーツとの接続はこれまでのACキットと同様にボールジョイントおよび軸による接続となっています。また、肩部武装の接続部付近に2か所シールによる色分けがあります。パーツ分割による色分けは隣接する同一色のハッチをワンパーツにすることでパーツ数を減らし、組み立てやすさを向上させた構成となっています。
パーツ状態での胴体パーツ。全17パーツで構成されており、ダークグレーのフレームパーツに外装を被せて組み立てていきます。
組み立て後の胴体パーツ。平面を組み合わせた無骨なデザインとなっています。
腕部パーツ「AR-011 MELANDER」
腕部パーツの組み立てはこれまでのACキットと同様に肘関節は1軸可動、肩部アーマーはCジョイントによる接続となっています。また、肘関節の内側1か所はシールによる色分けとなっています。また、肩部は内部フレームを一部露出させることでヒンジ部分の色分けもされています。
組み立て前の腕部パーツ。左右ともに19パーツにて構成されています。
腕部パーツは左右で腕部武装の接続ジョイントの有無が異なります。
脚部パーツ「LG-033M VERRILL」
本機の大きな特徴となる四脚型脚部パーツは各部ブロックに分けて組み立てを行なっていきます。最初は脚部の基部から組み立てを行なっていきます。脚部基部は大ぶりなパーツ分割にて成型されることでパーツ数を抑え、組み立てやすさを向上させている印象を受けます。なお、スラスターノズルはパーツ分割による色分けとすることでブースタパーツとの色の差異をなくし一体感が保たれる工夫がされています。また、完成後の下面にはアクションベース接続用ジョイント孔を備えます。
組み立て前の脚部基部。本キットの中でも大型のパーツにて構成されています。
組み立て後の脚部基部にはアクションベース接続用ジョイント孔が搭載されています。
本キットの足部は4か所すべて同一形状となっています。本キットは足裏も別パーツになっているのでしっかりとモールドが入っています。また、キット完成時に正面となる足裏パーツを別パーツ化していることで合わせ目も目立ちにくい配慮がされています。
組み立て前の足部。足裏が別パーツになっています。
組み立てが完了した足部パーツ。4か所すべて同一形状となっています。
足部が完成したら、前脚の組み立てに移ります。本キットの脚部は各部パーツを挟み込むことで組み立てていきます。膝関節は1軸可動にて90度ほど可動します。
パーツ状態での右前脚。左前脚は左右対称形状となっています。
組み立てが完了した前脚。膝を伸ばした状態でも膝関節に角度が付いています。
膝関節は約90度可動します。
最後に後脚の組み立てを行ないます。後脚の大腿部と脛部は前脚と同じ形状となっていますが膝関節部にスラスターユニットが追加されています。膝関節の可動は前脚と同様に約90度程度可動します。
組み立て前の後脚。前脚と比較し、膝関節部のパーツが大型化しています。
組み立て後の後脚。前脚と同様に膝を伸ばした状態でも膝関節に角度が付いています。
後脚の膝関節も前脚と同様に90度ほど可動します。
脚部パーツの各部接続はボールジョイントによる接続となっています。各部がボールジョイントによる接続のため、上下可動だけなく左右の開きも可動させることができます。
一体化前の脚部パーツ。各部の接続はボールジョイントによる接続となっています。
一体化が完了した脚部パーツ。これだけでこれまでのAC一体分のボリュームがあります。
ブースタ「BST-G2/P04」
本機のブースタはシンプルな形状となっており左右ともに1パーツで再現されています。そのため、この段階ではパーツを切り離して完成です。
切り離したブースタ。ノズルが一口のシンプルなデザインです。
これにてライガーテイル素体を構成するパーツは完成です。各部パーツを組み合わせてライガーテイル素体を完成させます。
一体化前のライガーテイル。脚部パーツの大きさが際立ちます。
一体化したライガーテイル素体。二脚型より一回り大型な機体が完成しました。
重火器で構成された武装の組み立て
ここからは武装類の組み立てを進めていきます。ライガーテイルの各部武装は四脚型ということもあり、重量感のある大型武装が多く採用されています。
ガトリングガン「DF-GA-08 HU-BEN」
本機の特徴的な武装となっているガトリングガンは軟質樹脂パーツを活用した弾帯により3次元的な曲面を持ったデザインとなっています。また、銃下面の弾倉部分にはスタンドが採用されているため、ガトリングガン単体で自立することが可能です。
記事を要約する(AI)3行まとめ
パーツ状態でのガトリングガン。銃身1本1本がしっかりと造形された3分割のパーツ割となっています。
組み立てが完了したガトリングガン。銃下面の弾倉部分にはスタンドが採用されているため、ガトリングガン単体で自立することが可能です。
弾帯は軟質樹脂にて成型されているため、三次元な曲面を持ったデザインとなっています。
炸裂弾投射器「DF-ET-09 TAI-YANG-SHOU」
左腕武装はこれまでに発売された左腕の固定武装である近接格闘武器とは異なり炸裂弾投射器となっています。組み立て後はハッチの開閉を変更することができ、発射状態も再現できます。
組み立て前の炸裂弾投射器。腕部パーツに接する面も細かいモールドが施されています。
組み立てが完了した炸裂弾投射器。腕部接続ジョイントには角度を固定するダボが採用されています。
炸裂弾投射器は組み立て後もハッチの開閉を変更することが可能です。
分裂ミサイル「BML-G2/P17SPL-16」
右肩武装の分裂ミサイルは同一形状のユニットを二組制作し、ジョイントパーツにて一体化することで肩部武装として完成します。先端部分のハッチ部分が別パーツとなっているため正面に合わせ目が発生しない工夫がされています。
パーツ状態での分裂ミサイル。全13パーツにて構成されています。
完成した分裂ミサイル。ミサイルユニットは並列ではなく若干前後にシフトさせたデザインとなっています。
グレネードキャノン「SONGBIRDS」
左肩部に搭載されるグレネードキャノンはナイトフォールの右肩に搭載されているものと左右対称形状のものとなっています。パーツの銃身前後部と本体への接続ジョイントはナイトフォールと共通ですが、その他のパーツは別形状のものとなっています。
組み立て前のグレネードキャノン。左右対称であるものの、パーツ構成はナイトフォールと同様の内容になっています。
組み立てが完了したグレネードキャノン。ジョイントパーツで回転させることが可能です。
これにてライガーテイルを構成するパーツはすべて完成です。各部パーツを組み合わせてライガーテイルを完成させます。本機は四脚型ACのため、ブースタパーツは脚部パーツに取り付けます。また、肩部武装と左腕武装は軸接続、右腕パーツはハンドパーツに保持させます。
ライガーテイルと武装パーツ。右腕武装のガトリングガンが最も大きくインパクトがあります。
ガトリングガンを中心とした実弾装備で武装した重量四脚型AC
早速完成したライガーテイルを見ていきます。本機のコアパーツ、腕部パーツは中量型パーツということもあり、より下半身が大型に迫力ある造形を楽しむことができます。組み立ても可能な限りパーツ数を少なく、色分けを最大限に発揮できる構造となっています。最初に、完成したキットを前後左右から全体の雰囲気を見ていきましょう。
ライガーテイルは四脚型となっているので下半身が大きい造形となっています。
肩部武装もこれまでのACの中でも大型の武装が搭載されています。
右腕武装のガトリングガンは腕部パーツより大きな造形となっています。
左腕には炸裂弾投射器を装備しています。
ガトリングガン「DF-GA-08 HU-BEN」。腕部よりも大きな造形となっています。
炸裂弾投射器「DF-ET-09 TAI-YANG-SHOU」。ハッチ開閉を組み立て後も選択可能です。
分裂ミサイル「BML-G2/P17SPL-16」。側面は並列ではなく若干前後にシフトさせたデザインとなっています。
グレネードキャノン「SONGBIRDS」。ナイトフォールの右肩武装と対称形状となっています。
腕部のガトリングガンは腕部よりも大きな造形となっています。銃身下部に取り付けられた弾倉がガトリングガンの迫力をより強化されているように感じます。また、弾帯は軟質樹脂で成型されているため3次元的な曲面を持っています。
ガトリングガンは銃身下部に取り付けられた弾倉がガトリングガンの迫力をより強化されているように感じます。
弾帯は軟質樹脂で成型されているため3次元的な曲面を持っています。
左腕の炸裂弾投射器はハッチの開閉が選択可能なため組み立て後も組み替えて楽しむことが可能です。ハッチの展開はヒンジではなく、パーツの差し込み位置の変更によって行なうため、ポージング中にハッチが動いてしまう心配がありません。
炸裂弾投射器はハッチ開閉を組み立て後も選択可能です。
ハッチの展開はヒンジではなく、パーツの差し込み位置の変更によって行なうため、ポージング中にハッチが動いてしまう心配がありません。
右肩部の分裂ミサイルは軸可動により射出状態を再現することは可能です。ハッチに展開ギミックはありませんが先端部分のハッチ部分が別パーツとなっているため正面に合わせ目が発生しない工夫がされています。
先端部分のハッチ部分が別パーツとなっているため正面に合わせ目が発生しない工夫がされています。
左肩部のグレネードキャノンはナイトフォールの右肩武装と対称形状となっています。四脚型のライガーテイルが装備することで戦車のようなスタイルとなります。
グレネードキャノンを展開したライガーテイルは戦車のようなスタイルとなります。
ライガーテイルの脚部基部にはアクションベースのジョイント孔が採用されているので空中戦をイメージしたポージングも可能となっています。
アクションベースを使用することで空中戦をイメージしたポージングも可能となっています。
ジョイント孔は脚部基部に採用されています。
ホバリング状態で展示してみました。アクションベースで角度をつけることで躍動感のあるポージングができます。
下から撮影することで迫力のある機体を楽しむことができます。
四脚型はブースタを脚部パーツに取り付けます。
本機のコアパーツには二脚型ACとした際に使用するブースタ用ジョイント孔が搭載されています。
頭部のアップ。クモを連想させるデザインの頭部となっており左右に広い形状です。
ここからは、これまでに発売されたACキットを使用して組み換えをしてみました。ライガーテイルの配色はグリーンとブルーになっているため組み合わせると配色の違いが目立ってしまいますがゲームをイメージして自由に楽しめます。
ライガーテイルの上半身を使用して中量二脚型を組んでみました。二脚型でもマッチする上半身となっています。
四脚型を利用してスマートな四脚型をイメージしてみました。スティールヘイズの頭部と腕部がライガーテイルの脚部パーツの印象を変化させてくれます。
今回レビューした「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON BALAM INDUSTRIES BD-011 MELANDER ライガーテイル」はこれまでに発売された「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」キットの遊びの幅を広げてくれるアイテムとなりました。各部のモールドは緻密ながらもはっきりとした太さにモールドされ、塗装派のユーザーがサーフェイサーを塗布してもモールドが消えることもないと思います。
各部の接続ジョイント、ハンドパーツもこれまでの「30MM ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」キット準拠のものとなっているので自由な組み替え遊びを楽しめます。また、各部の可動域もポージングを取るには十分な可動域となっており、自身の好きなポージングで展示することが可能なキットとなっています。
これまでに発売されたスティールヘイズやナイトフォールを組み合わせたカスタマイズも楽しめると思いますし、オプションパーツセットの武装を組み合わせて自分好みの武装にチェンジしても楽しめると思います。また、塗装派ユーザーであれば機体を自身のパーソナルカラーに塗装してみても面白いのではないでしょうか。筆者もライガーテイルをベースとして自身のオリジナル塗装の機体を作ってみたくなりました。