BANDAI SPIRITSは、キャラクタープラモデル「Figure-rise Standard」で展開している「仮面ライダー」シリーズより「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」をついに9月21日に発売する。
Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム
「Figure-rise Standard」では平成仮面ライダーシリーズをはじめ、数多くの仮面ライダーが2018年より立体化されている。今回、平成仮面ライダー第1作「仮面ライダークウガ」より仮面ライダークウガの「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」が登場。
劇中では敵となる最後のグロンギ、ン・ダグバ・ゼバ(以下、ダグバ)との戦いに挑むため、主人公・五代雄介が超変身したのが「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」だ。漆黒のカラーリングと刺々しい肩により威圧感あるデザインとなっている。その強さは劇中最強フォームにふさわしく、超自然発火能力をはじめとした特殊な力や圧倒的スペックを誇る。
そして、ダグバとは拳による壮絶な戦いとなり、五代雄介の“人々の笑顔のために戦う”姿に筆者は胸が締め付けられる思いだった。仮面ライダーとして戦い続けた仮面の下の真実は衝撃的で、これまであった勧善懲悪のヒーロー像を塗り替えるドラマだった。
今回は「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」の魅力をお伝えしていく。
細部の彩りまで備えたパーツたち
「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」のランナー数は合計9枚。そして、手甲部などに使用するシールがついている。
「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」を象徴する黒と金の成型色や複眼部分のクリアパーツが封入されている。黒はマットな質感となっており、金はメッキパーツによって存在感を発揮する色合いとなっている。
また本キットではアクションベースが付属し、こちらは同社の「アクションベース6 [クリアカラー]」と同規格。
【内容物】
Aパーツ
B1パーツ
B2パーツ
C2パーツ
Dパーツ。多色成型ランナーでエフェクトパーツや顎パーツなど新規造形パーツが確認できる
E1パーツ
E2パーツ
Fパーツ。金のメッキパーツで光に当たるとギラギラに輝く
ACB-6パーツ
シール
中身を確認したところで、次は組み立て工程を見ていこう。
細い金ラインも組み立てるだけで再現。存在感ある造形を再現
最初は頭部を組み立てていく。
頭部は最初に下準備として複眼部分にシールを貼る。シールは鏡面のように光を反射できるもので、この上からクリアパーツによる複眼パーツを重ねるこで活力ある眼が表現されている。
【頭部】
頭部正面の複眼部分にシールを貼る
各パーツを組み立てることで頭部が完成
次に胸部と腹部の組み立て。胸部と腹部はボールジョイントで接続され、腹部にも可動軸が設けられ可動範囲が広いことがわかる。
そして、注目のポイントは金パーツによるライン表現だ。特徴的な胸部のラインは金パーツを基礎に、細かい黒のパーツで埋めていき、ラインを浮き出すように組み立てる。
これによってシールや塗装がなくても、組み立てるだけで劇中にイメージに近い完成度を実現している。また、血管のように浮き出たライン造形もしっかり再現されている。
【胸部と腹部】
腕部も同様に細かいパーツ分けでラインが再現され、肩やひじの可動も備えている。また、「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」の特徴的なフォルムも再現されている。また、手甲部の古代文字などはシールで色分け。
【腕部】
肘付近の内側、細かい金色の色分けはシールで表現
手首部分は黒のシールで色分け
手甲部分もシールで色分け
脚部は細かいパーツ分けによって、組み立てるだけでイメージに近い色分けを実現。可動部も太もも、膝、足首、足先に備え、自然な立ち姿はもちろん、足に力を込めて踏ん張るポーズも取りやすくなっている。
【脚部】
足首部分はシールで色分け
腰部の組み立ては、軸に股関節可動のパーツを差し込み上下の可動を実現。「仮面ライダークウガ」の変身ベルト「アークル」は強化された金の縁取りが再現されている。金の縁取り部分にはシールで細かなラインの色分けが表現されている。
【腰部】
「アークル」の金の縁取り部分にシールを貼って色分けを表現
ここまで組み立ててきたパーツを合わせることで「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」が完成する。
その他にも交換用手首、超自然発火能力を表現したエフェクトパーツ、台座を組み立てる。
また、本キットでは「仮面ライダークウガ」の劇中にて登場した幻影や「仮面ライダーディケイド」で登場した小野寺ユウスケが変身する「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」の黒い複眼を選択式で組み立てることが可能。
交換用手首、右3種、左2種
エフェクトパーツ
台座
ブラッククリアの複眼パーツ
すべてのパーツの組み立てが完了。次のページでは完成した「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」を堪能していこう。
静と動のアクションを再現。「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」のポージング
完成した「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」は組み立てただけとは思えない高い再現度となっている。
腕や肩、足から伸びた突起の攻撃的なフォルムや劇中のプローションを彷彿とさせる全体のバランスもいい。「仮面ライダークウガ」の変身ベルトである「アークル」による生体甲冑の生物的な雰囲気も各部のモールドから伝わってくる。
シンプルなデザインの「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」だが、全身に走る金のラインによってより立体感ある造形を発揮し、唯一無二の存在感を放つ。「Figure-rise Standard」シリーズでもその造形美がうまく落とし込まれている印象となっている。
仮面ライダークウガ アルティメットフォーム
頭部は額のホーンや顎パーツが存在感を放つ。複眼もリアリティある表現が施されている
鋭い生体甲冑のフォルムで威圧感ある造形が再現されている
細かいパーツ分けによる色分けはもちろん立体感ある造形
生体的なデザインもしっかり表現されている
脚部もどっしりとした安定感。台座なしでも立たせることができる
「アークル」も細かく造形。中央の黒いアマダムや金色の縁取りも再現されている
手甲部には古代文字
ブラッククリアパーツに差し替えた複眼。目に光がともっていない“究極の闇をもたらす者”の存在感を発揮
手首パーツを一度外し、エフェクトパーツを差し込むことで超自然発火能力を再現
2020年3月に発売された「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ マイティフォーム」(右)と比較。
※「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ マイティフォーム」は塗装しています
2021年10月に発売された「Figure-rise Standard トライチェイサー2000」(右)とディスプレイ。一条薫の前で変身する五代雄介のシーンを連想させる
アクションポーズも各部可動によって様々な表現が可能。劇中で見せた静かに迫る歩行や重々しい打撃などリアリティある動きを表現できる。また、台座によって大きく足を振り上げたポーズやライダーキックなどの大迫力ポーズも楽しめる。
各部の可動によって静かに歩むポーズも可能
エフェクトパーツを付けたパンチアクション
パンチも腰の入った重々しさを感じさせる
台座を使えばキックポーズも自在
拳を振りかざすタメの動きも
片膝をついたポージングも可能
ライダーキックの躍動感ある動きも表現できる
黒い複眼状態では不気味な雰囲気に
最後に「仮面ライダークウガ」の劇中をイメージした写真を紹介。第35話「愛憎」にてゴ・ジャラジ・ダとの戦闘の際、怒りに飲まれかけた五代雄介が見た炎の中の幻影をイメージしたものと第48話「空我」でのダグバとの吹雪の中の戦闘をイメージしたものを紹介。
【炎の中の幻影の「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」】
怒りをあらわにしてジャラジを撃破した五代に浮かぶ幻影
「アークル」からの警告。炎の中で黒いシルエットが浮かび上がる
究極の闇をもたらす者と同質の存在。その瞳に光はない
【ダグバとの激戦をイメージ】
超自然発火能力を仕掛けながら間合いを詰めていく
強大な力による拳が唸る
拳を交える中で飛び散った鮮血が雪を染める
苦悶しながらもダグバに立ち向かう
五代の悲痛な叫びとともに再び拳を振り上げる
以上、「Figure-rise Standard 仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」のレビューをお送りしてきた。
「Figure-rise Standard」の「仮面ライダー」シリーズは組み立てるだけで劇中イメージ近い色分けがされており、本キットでもその例にもれず再現されている。特に金のラインは細かなパーツ分けだからこそ、立体感あるデザインが実現し非常に満足度の高い造形となっている。
その分、パーツが小分けになっているのでパーツの紛失、また肩や腕のとがったパーツに注意したいところだ。
「仮面ライダークウガ アルティメットフォーム」の造形美はもちろん、台座が付属しており、より自由度の高いアクションポーズも楽しめるので、組み終わった後での遊びも充実している。
今後も「Figure-rise Standard」の「仮面ライダー」シリーズに期待したい。
(C) 石森プロ・東映